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所有者不明土地に関する問題点と検討状況   (弁護士 東重彦)

近年、登記簿等の公簿情報を確認しても直ちには所有者が判明しなかったり、判明したとしても所有者に連絡がつかない土地が全国的に増加しています。その原因は、人口減少・高齢化の進展に伴う土地利用ニーズの低下や地方から都市部への人口移動を背景とした土地所有意識の希薄化等にあると考えられています。
これらの土地については、生活環境悪化の原因やインフラ西部、防災上に重大な支障を生ぜしめる等その対応が喫緊の課題となっています。そしてこれらの課題については、令和元年6月1日に全面施行された「所有者不明土地の利用の円滑化に関する特別措置法」により、所有者不明土地の公共的目的での円滑な利用を実現する目処が立ちました。
今後の課題は、所有者不明土地の発生の抑制と解消ですが、この点について法制審議会の民法・不動産登記法部会が令和元年12月3日に「民法・不動産登記法(所有者不明土地関係)等の改正に関する中間試案」を公表しました。
同中間試案では、①共有制度、②財産管理制度、③相隣関係、④遺産の管理と遺産分割、⑤土地所有権の放棄等の論点について検討がなされていますが、パブリックコメントに付されていることもあり、内容が相当程度修正されることが予想されます。
本稿では、上記各論点についての中間試案における案の内容をご紹介するにとどめることとします。

①について
所有者不明土地は共有者の一部の者が不明であることが多いことから、共有物の管理や共有関係の解消方法の見直しを提案しています。

②について
土地の円滑な管理が困難であることから、管理人による管理を命ずるようにする制度の創設を提案しています。

③について
隣地所有者を知ることができない場合の円滑な隣地使用を可能とする制度等を提案しています。

④について
遺産共有における共有物の管理、遺産分割を促進させる仕組みや遺産共有を解消させる仕組を提案しています。

⑤について
管理されない土地の増加を防止するために土地所有権放棄制度の創設を提案しています。

以上

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