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「債務整理事件処理の規律を定める規定」の施行
弁護士 東重彦
平成23年6月1日更新
日本弁護士連合会は、平成23年2月9日の臨時総会において、債務整理事件に関し、債務者との直接面談などの一定の行為規制、弁護士報酬の上限規制、広告規制等を内容とする標記規定を可決承認し、同規定は、同年4月1日から施行されています。
同規定は、クレサラ事件と呼ばれる多重債務事件に関して、一部弁護士による不適切な事件受任、法律事務処理、不相当な報酬請求が問題となっていることに鑑み定められたものです。
弁護士として、このような規定を必要とする事実が存在すること自体残念なことですが、皆様の権利・利益の擁護の一助となればと思い、以下、同規定の概要をご説明いたします。
1 規制対象事件(2条)
2 事情聴取方法(3条)
3 受任弁護士の明示義務(7条)
4 過払返還請求事件のみの受任の禁止(8条)
5 任意整理事件の報酬(9条〜16条)
6 事件処理報告に関する規律(17条)
以上
同規定は、クレサラ事件と呼ばれる多重債務事件に関して、一部弁護士による不適切な事件受任、法律事務処理、不相当な報酬請求が問題となっていることに鑑み定められたものです。
弁護士として、このような規定を必要とする事実が存在すること自体残念なことですが、皆様の権利・利益の擁護の一助となればと思い、以下、同規定の概要をご説明いたします。
1 規制対象事件(2条)
個人又は零細事業者を依頼者とする総負債額5000万円以下(住宅ローン除く)の債務整理事件です。 |
2 事情聴取方法(3条)
規制対象事件については、受任弁護士が、自ら、個別に、面談して事情聴取をすることを規定しています。 |
3 受任弁護士の明示義務(7条)
受任した弁護士を明示することにより、依頼者が自己の依頼事件の処理をどの弁護士が行なっているかを把握してもらう趣旨です。 |
4 過払返還請求事件のみの受任の禁止(8条)
受任弁護士に依頼者の全負債の把握義務を課すとともに、ほかに負債があることを知りながら過払返還請求事件のみを受任することを原則として禁止しました。 |
5 任意整理事件の報酬(9条〜16条)
日弁連の報酬等基準規定の廃止後、弁護士報酬額に関する規定は存在しませんでしたが、公益的・社会的必要性から設けられました。具体的上限については、本規定と同日に施行された「債務整理事件処理の規律を定める規定施行規則」に別途定められています。 |
6 事件処理報告に関する規律(17条)
事件処理の報告、受領した過払金の清算等について、報告、説明及び清算の報告を義務付けました。 |
以上