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家賃等弁済情報提供事業の規制と課題について−1
弁護士 東 重彦
平成22年4月30日更新
現在会期中の第174回通常国会に、政府は「賃借人の居住の安定を確保するための家賃債務保証業の業務の適正化及び家賃等の取立て行為の規制等に関する法律案」を提出し、現在審議中です。
同法律案の提出理由は「賃貸住宅の家賃等に係る債権の取立てに関して不当な行為が発生する等の家賃の支払に関連する賃借人の居住をめぐる状況にかんがみ、賃借人の居住の安定の確保を図るため、家賃債務保証業を営む者及び家賃等弁済情報提供事業を営む者について登録制度を実施し、これらの事業に対し必要な規制を行い、家賃債務保証業者及び家賃等弁済情報提供事業者の業務の適正な運営を確保するとともに、家賃等弁済情報の適正な取扱いに関し必要な事項を定め、あわせて賃貸住宅の家賃等に係る債権の取立てに関する不当な行為を規制する必要がある。」とされています。
今回はまず、同法律案に規定されている家賃等弁済情報提供事業(いわゆる家賃滞納情報のデータベース化)の法律案提出に至る経緯を整理してみましょう。
平成20年12月から同21年1月
国土交通省が家賃保証債務保証業者の実体調査及び補償業務を行なう一部企業に対し、家賃債務保証業務の適正化に向けたアンケート調査の実施。
平成21年1月28日
国土交通大臣が社会資本整備審議会に対し、「家賃債務保証業等の業務の適正化」を含む民間賃貸住宅政策のあり方について諮問。
平成21年2月16日
国土交通省が財団法人日本賃貸住宅管理協会へ「家賃債務保証業務の適正な実施の確保について」と題する要請文の発出。
平成21年8月12日
社会資本整備審議会住宅宅地分科会民間賃貸住宅部会が、諮問に対する「中間とりまとめ」を発表。
平成22年1月14日
社会資本整備審議会住宅宅地分科会民間賃貸住宅部会が、諮問に対する「最終とりまとめ」を発表。
平成22年1月18日
第174回通常国会が開会し、政府が法律案を提出。
次回は、この間における各種団体の対応を整理いたします。
(次回に続く)