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法定相続情報証明制度について
弁護士 中村美絵
平成29年4月7日更新
平成29年3月28日、法務省が、今年の5月下旬から、法定相続人の一覧図を公的な証明書として発行する制度を始めることを発表したとの報道がなされました。 そこで、今回は、新しく始まる「法定相続情報証明制度」についてご紹介いたします。 法定相続情報証明制度とは、法定相続人の一人が、亡くなった方(以下「被相続人」といいます。)や法定相続人全員の戸籍を集め、相続関係の一覧図を作成し、法務局に提出すると、法務局が一覧図の内容を確認し、正しければ原本を保管し、写しを公的な証明書として発行するという制度です。 これまで、相続が発生して、相続人が、被相続人名義の不動産の相続登記や、被相続人名義の預貯金の払戻手続きをする際には、その都度、被相続人の出生から死亡までの戸籍謄本、被相続人全員の現在の戸籍謄本等の書類を集めて、法務局や銀行等のそれぞれの機関に対し提出する必要がありました(ただし、遺言がある場合は別です。)。 被相続人の死亡後、相当期間が経過している場合には、代襲相続の発生等により、相続人が増えて、集めなければならない戸籍謄本の数が大量になることがよくあります。 戸籍の原本は、各機関に提出後、還付を受けることが可能ですが、それぞれの機関に一度は原本を提出し、確認を受けなければならないため、手間や時間を要します。 このように、相続手続きは、時間と手間が非常にかかるものでした。 法定相続情報証明制度が開始されると、法務局が発行した法定相続情報の一覧図の写しを関係機関に持って行けば、戸籍の一式がなくとも、手続きを進められることになり、手続きが簡略化され、相続人の負担が軽減されることになります。 ただし、法務局で法定相続情報の一覧図の写しの交付を受けるには、最初に、相続人が、被相続人や法定相続人全員の戸籍を集め、相続関係の一覧図を作成する必要があります。 したがって、新制度が開始されても、相続関係を証明する戸籍一式を集めるという大変な作業は残されたままです。 当事務所では、相続人調査の段階からご相談にのっておりますので、相続手続に関してお困りのことがございましたら、お気軽にご相談ください。 |
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