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「労働契約法」改正について-2

弁護士 水口良一

平成25年5月24日更新

 前回は「労働契約法の一部を改正する法律」の改正の概要についてご説明をさせていただきました。
 今回は、この改正のうちの無期労働契約への転換(労働契約法第18条)について、簡単にご説明をさせていただきます。

1.無期労働契約への転換とは
 有期労働契約が反復更新され、契約期間が通算5年を超えたときは、労働者の申込みにより期間の定めのない労働契約(無期労働契約)に転換させる制度。

2.要件
  @同一の使用者との間で
A2つ以上の有期労働契約の契約期間の通算が5年を超える
B有期労働契約期間が満了するまでの間に
C有期労働者が使用者に申込み

3.効果
 使用者は申し込みを承諾したものとみなされ、無期労働契約が成立。
 なお、無期労働契約における労働条件は、契約期間が無期であるほかは、別段の定めが無い限り、従来の労働条件と同じ。

 以上のとおり、本改正は、労働者の申し込みがあると使用者は承諾をしたものとみなし、その結果、有期労働契約を無期労働契約に転換するという制度であって、実務への影響は大きいものと思われます。

 もっとも、この改正の施行日は平成25年4月1日とされていますが、通算契約期間の通算は、平成25年4月1日以後に開始する有期労働契約を対象とし、平成25年3月31日以前に開始した有期労働契約は通算契約期間に含めないとされていることから、実務への影響が現実化するのは、もう少し先になるものと思われます。
 以上
                                                                    

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