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ホームページリースに関する最近の裁判例(2)

弁護士 水口哲也

平成25年4月15日更新

  〜 ホームページリースに関する最近の裁判例(1) つづき〜

2 リース会社に対する請求等
 昨年、リース会社との関係においても、リース会社からの請求を拒絶することが出来るとしたり、リース会社への損害賠償請求が可能であるとする裁判例が出てきました。
(1) リース会社からの請求に対し、販売店に対する抗弁を対抗しうる場合があるとした裁判例
  −大阪地方裁判所判決 平成24年5月16日(消費者法ニュース92号237頁−
 この事案も上の事案と大筋で同じですが、販売店が口頭で約束していたのは、ホームページ作成だけではなく、検索エンジンの最適化です。
 判決は次のように述べ、リース業者からの請求を拒めるとします(購入者をX、リース会社をY、販売店をAとします)。
「Yは、サプライヤーが前述のような方法でリース契約を利用した後に役務の提供を止めた場合、YまたはXらに損失が生じることは当然認識しているというべきであるし、Yの担当者においても、Aが、Xらとの間では役務の提供を約する旨の書類を作成した事実を把握していれば、本件各契約の締結には応じていなかった旨を明言することに加え、Yは、Aと業務協定を締結し、契約手続の一部を委ねているのであるから、Aが、役務の提供を行う趣旨で、顧客にリース契約を締結させることを疑わせる事実が存するときは、この点を確認し、不適切なリース契約を締結しないこととする信義則上の義務を、顧客に対し負っているというべきである。」とし、Xらが複数のホームページを作成するためにリースを受けた可能性があるというYの反論に対し、Xらの業種からして高額なプロ用ソフトを購入する理由がないこと、市販のソフトとの比較から、ホームページ制作依頼を含んだものであるとの勧誘行為が存在したのではないかいう認識すべきであったとして信義則上の義務違反を認定し、その上で、信義則上の義務違反の効果として、「Xらとの関係において、役務を提供すべき相手方はAであり、リース料債務の相手方はYであって、本来、XらはAに対する抗弁をもってYに対抗することはできないが、本件の事実関係を前提とすると、Xらは、役務の提供がないことを理由とするAに対する抗弁を、信義則上、Yに対しても主張できると解するのが相当である。
 同判決においては、信義則の義務違反の効果として、単純に損害賠償を認めるものではなく、あくまで、販売店に対する抗弁をリース会社に対しても認めたものです。
 抗弁の接続という、割賦販売法30条の4の類推適用を想起させるものであり、実際、ユーザー、クレジット会社、販売会社の三角関係と、ユーザー、リース会社、販売店の三角関係は、販売店がユーザーに商品を売却・交渉を行い、リース会社ないしクレジット会社が販売店の審査する点で同様の構造があります。しかしながら、上記裁判例では、なぜ、信義則上の義務違反の効果が抗弁の接続ということになるのか、今一、納得できる解答が与えられておりません。むしろ、信義則上の義務違反があるのであれば、端的に、その義務違反と因果関係のある損害全ての損害賠償を認める方が論理的に一貫しているのではないか、そう思われるわけです。
(2) リース会社に対する請求が認められた裁判例
  − 大阪地方裁判所平成24年7月27日判決−
  同判決は、電話機リースに関する裁判例ですが、基本的に、ホームページリースに関しても、判決の射程が及ぶものと考えられます。
 上記判決は、一方で、リース会社は原則として販売店のリース契約の勧誘方法等営業活動を管理、監督する義務を負わないとしながらも、「リース会社と提携販売店は…リース契約締結にむけて密接な協力関係にあり、優良な顧客とのリース契約が増加すると、双方の利益も増加する関係にもあるといえることから、提携販売店とリース会社との関係、提携販売店のリース契約締結手続への関与の内容及び程度、提携販売店の不法行為についてのリース会社の認識又は認識可能性の有無及び程度等に照らし、リース会社が提携販売店の違法行為を知り、又は知り得たにもかかわらず漫然と顧客とリース契約を締結したというような特段の事情が認められる場合には、リース会社は、提携販売店に違法な営業活動がないかを調査し、必要に応じて、両者の法律関係及び経済的影響力に応じた指導・監督をすべき注意義務があったものとして、不法行為責任を負うと解するのが相当である。」とします。
 そして、上記判決は「特段の事情」の有無の検討に移行し、既に平成17年頃には、電話機リースに関する提携販売店が欺罔行為を行うことに関して社会問題になっていたことから、顧客に対して、提携販売店が違法な勧誘行為を行わなかったか確認する義務があったとし、その義務の違反によりリース会社の責任を認めています。

3 結語
 リース会社に対する請求を認めた大阪地判平成24年7月の判決は、理論的にも明快であり、今後は、上記判決の特段の事情の事実関係が問題になっていく可能性が高いと思われます。
 以上
                                                                    

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